近年空き家問題は、日本全体の社会問題になっているほど、空き家率が上昇しています。地方では至る所で空き家が目立ち、ボロボロになって今にも崩れそうな木造住宅もあれば、少しリフォームや改修すればまだまだ賃貸としても貸し出せそうな家までさまざまです。
また、都会であっても場所によっては空き家が多い場所もあり、空き家問題は目下解決しなければならない喫緊の課題です。
そんな増加している空き家ですが、そもそも空き家はなぜ増えているのか?そして、空き家を減らすためにはどうしたらよいのか?について追及し、まとめてみたいと思います。あわせて、最も重要な空き家の活用方法についても少し触れておきたいと思います。
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空き家数はなぜ増える?
①親から相続してもだれも住まない
空き家が増える大きな理由としては、団塊の世代の相続が進む一方で、相続した者が相続した物件に住まないといったケースが多いからです。
立地のいい場所であれば、賃貸に出したりすることも可能ですが、空き家になっている多くの物件は立地に難のある物件のため、そのままにされているケースが多いのです。
②施設に入る高齢者が多くなっている
上のグラフは、2014年から2018年までの5年間で、有料老人ホームに入所している人数の推移を表したものです。5年間で老人ホームに入所している人の数は3割も増加しています。
理由としては、核家族の増加により、高齢者の面倒を見る子供が少なくなり、その役割が老人ホームに移ったからです。また、当面はこのまま増加していくことも見込まれています。
③賃貸マンションに引っ越す人が増えている
賃貸不動産は、貸家の需要増加により過去50年間で約1.8倍増加しています。
特に最近は、若い人ほど持ち家にこだわっておらず、親から家を相続しても、そのまま賃貸住宅に住み続ける人が増えています。
賃貸マンションであれば、設備が古くなれば新しい物件に引っ越したり、その時々の環境によって、利便性のいい場所に引っ越すこともできるためです。
④メンテナンスが大変なため
また、持ち家があっても、メンテナンスが大変で維持費もかかるため、賃貸物件に移るという人が増えています。特に高齢者だけの世帯にとっては、設備が壊れた際に、自分で修理を手配したり、定期的な清掃をするのが難しいと感じているからです。
昔はこうした仕事を子供や周りの人たちが助け、支え合って生きてきましたが、社会環境の変化によって今はそれも難しくなっています。
⑤自治会の会合に出席するのが煩わしい
これはあくまで少数派ですが、戸建てであれば地域の自治会の会合に出席するのが煩わしいといった人もいます。
当番制で定期的に自治会長になったり、理事長になったりするところもあり、人間関係も含め賃貸マンションの方が気楽だと感じる人も多くなっています。
空き家放置の危険性
次に空き家を放置しておくことによる危険性をお伝えします。
①防犯面に懸念がある
空き家を放置しておくことで、防犯面に懸念があります。例えば、犯罪者にとっては普段から空き家だとわかれば、犯罪者のねぐらに使用したり、薬物などの倉庫に使ったりすることもできます。自分自身に被害がなくても、周辺住民にとってはいい迷惑です。
②放火の危険性がある
空き家が出火元になり、周辺の家を巻き込んだ大火災に発展することもあります。場所によっては、隣家との距離が近く、すぐに燃え移る可能性もあるので、空き家を放置することで周辺住民を巻き込んだ取り返しのつかない事態に発展することもあります。
一般的に、火災によって隣家に燃え広がった場合は、損害賠償の責任はありませんが、重過失のある場合は別です。重過失とは、例えば隣家に燃え広がりやすい環境だったり、普段から管理を怠り、予防もせず放置していた場合などがこれに当たります。
空き家を放置しておくことで、ある日突然大きな負債を抱えてしまう可能性を秘めています。
③粗大ごみや産業廃棄物が捨てられる
空き家を放置しておくと、粗大ごみを捨てられる可能性があります。少しならまだしも大量に捨てられることもよくある話です。
しかも、処理に困った大きな家具や、質の悪い場合は産業廃棄物の不法投棄までされていることがあります。もっとも、犯人捜しはほぼ不可能ですので、結局自己負担で処理することになります。
④状態が悪い場合は『空家等対策特別措置法』に指定される
さらに放置が続き物件の状態が悪い場合は、倒壊や周辺住民に危険があるとみなされ、『空家等対策特別措置法』に指定され、自治体から改善の勧告を受けます。こうなると、固定資産税の優遇などを受けられなくなり、より多くの税金を支払うことになります。
なお、物件の状態が悪い場合とは、建物の破損、門や看板などの倒壊のおそれなどがこれに当たります。
空き家活用のチェック方法とその流れ
これまで空き家のリスクについてお伝えしましたが、とはいっても空き家をどうするか悩みますよね?まずは賃貸として貸し出すことが可能かどうかチェックしてみましょう。
①立地
賃貸に貸し出すポイントとしては、当たり前ですがそもそも賃貸の需要があるかどうかです。例えば人里離れた農村であれば、特殊な要因を除き、わざわざ賃貸で借りたいという人は限りなくゼロに近いです。
一方で、駅から徒歩10分圏内であったり、駅から遠くても、近くに大学や大きな病院があるなどの集客のメリットがあれば、賃貸需要はあります。
まずは、空き家となっている物件が賃貸の需要があるかどうか調べてみてください。
②地盤や躯体のチェック(戸建)
もう一つ重要なチェックポイントとしては、躯体が壊れていないか目視で判断することも重要です。設備や内装がボロボロでも、リフォームしてお化粧さえしてやれば、貸し出すことは可能です。
ただ、地盤が陥没していたり、家が傾いていたりと、物件そのものに問題がある場合は貸し出すことはできません。もし貸し出した場合には修繕義務違反となり、損害賠償を請求されることもあります。
③リフォームの見積もりをとる
次に立地もよく、物件自体も問題ない場合は、賃貸として貸し出すために、古くなった設備や内装をリフォームする必要があります。ユニットバスやキッチンなどの水回りが特に高く、交換費用も高いので、最も重要なポイントとしては水回りのチェックです。
また、水回りをケチって古いままにすると、入居者もこうした物件を敬遠するため、結局長期で空いてしまうリスクにもつながります。
まずはリフォーム屋さんに、リフォームの見積もりをとるようにしましょう。できれば、2社以上見積もりをとるようにしましょう。
※リフォームの見積もりは『リフォーム比較プロ』がオススメ
なお、オススメとしては、利用者30万人の実績を誇るリフォーム比較会社『日本全国で実績多数|リフォーム比較プロ』を利用することです。リフォームにおいてはすでに厳格な審査を行い、実績のある業者を紹介してくれます。
また、そのエリアの業者を何社か見積もりをとってくれるので、時間も費用も抑えることができので安心です。こうしたリフォームの比較専門業者を頼るのも有効な方法の一つです。
④貸した場合の賃料を調べる
貸した場合の賃料を調べる場合は、不動産会社に依頼するのが一番ですが、事前にある程度目安だけでも知っておきたい場合は、インターネットを使って確認してみましょう。
スーモやアットホームのような賃貸のポータルサイトには、多くの物件情報が掲載されています。場所や築年数などを入力することで、条件を絞ることができるので、保有している物件と同じような条件で検索すれば、近隣の物件情報を調べることができます。
また、物件が出てこない場合は、①賃貸需要のない場所②希少性の高い物件のどちらかとなるので、不動産会社に確認してみてください。
⑤大方の収支を計算してみる
リフォームした場合と目安の賃料収入が確認できれば、ざっくりとけっこうですので、出ていくお金と今後の収入見込みを計算してみてください。
目安としては、リフォームにかかったお金は3年から長くても5年で回収したいところです。10年以上かかってしまうと、また新しい設備費用や維持修繕費がかかってしまうので、そこまで長期になるようなら活用は難しいかもしれません。
空き家を賃貸として貸し出す場合の流れ
次に貸し出せる見通しがつけば、物件を賃貸に出すための流れについてお伝えします。
①空き家をリフォームする
リフォームは、事前に見積もりした会社に発注し、完了日予定日を確認します。繁忙期はどこも忙しいので、なるべく早く発注するようにしましょう。賃貸では春の3月・4月と9月が移動による繁忙期となるので、この時期にあわせてリフォームするという方法も有効です。
②入居者募集は不動産会社に依頼する
リフォームが終われば入居者の募集は不動産会社に依頼するのがベストです。不動産会社は業者が閲覧できる不動産流通サイトや自社サイトで物件の募集資料を掲載して、より多くの不動産会社に募集情報を共有することができるからです。
手数料を払う必要はありますが、その分より多くの人に物件を知ってもらうことができ、結果入居者が早く見るかるというメリットがあります。
また、貸し出す際の細かい業務についても、不動産会社からアドバイスもらえるという点もありがたいです。
③物件管理は依頼するものよし、自身で行うもよし
物件の管理は、もし家から近く、すぐに対応できるのであれば、お金の節約という観点でいえば、ご自身でされるのがよいでしょう。入居者とのコミュニケーションの機会も増えるので、長期で借りてくれる可能性もあります。
一方、遠方でなかなか物件の管理やクレーム対応などができないという場合は現地の不動産会社に管理を委託するのがオススメです。
空き家として活用が困難な場合
リフォームの見積もりをとったものの、改修工事に相当なお金がかかり、賃貸に出しても割に合わない。また、外壁や柱の損傷が激しく、そもそも物件を貸し出せる状態にないといった場合には、解体したほうがよいでしょう。
①解体屋さんに見積もりをとる
リフォーム会社に解体の見積もりをとることもできますが、解体工事は解体屋さんに頼むのが一番です。結局リフォーム会社も紹介料を乗っけて見積もりを出してくるので、値段が1割から2割上がってしまうからです。
もし、解体屋さんに知り合いなどいないという方は、『【解体工事110番】』という東証に上場している会社が運営する「解体工事を比較見積もりする」サイトがあるので一度確認してみてください。
全国で案件を手掛けており、見積もりは無料でできます。条件に合った解体業者を紹介してくれるので安心です。
②解体後の活用方法
解体後は、駐車場にしたり、立地や条件次第ですが、土地として貸し出すことも可能です。ただし、更地にしてしまうと固定資産税が建物がある状態よりも最大で6倍になってしまうので、更地として放置しておくと税金が高くなるので、注意が必要です。
土地としての活用の可能性を探りながら、難しければ売却をも見据えた検討が必要になります。
まとめ
ここでは、空き家問題と空き家が増える要因、そして空き家の活用方法についてまとめてみました。
空き家になったものの、どうしていいかわからないという方は多いと思いますが、放置しておくことはお伝えした通り、かなりリスクの高い状況にあるので、なるべく早い段階で次どうする?という見通しを立てておきましょう。
また、見通しを立てるためにも、事前にリフォームの見積もりをとったり、解体の見積もりをとっておくということも判断するうえで重要な材料となります。
まずは行動することが一番重要ですので、なかなか重たい課題ですが、コツコツ進めていくようにしましょう。