フェイスブックのCEOマーク・ザッカーバーグは2021年10月28日、社名をフェイスブックから「Meta(メタ)」に変更すると発表しました。
フェイスブックスは2004年に発足したソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)で、グループ全体の利用者は全世界で36億人にものぼる、世界最大級のSNSとしてしられています。
そんなフェイスブックにとってSNS事業は、事業の基盤として最も強化していく事業だと思っていましたが、今回「フェイスブック」という社名を変更する思い切った戦略に乗り出しています。
また、フェイスブックは2021年に、メタ事業に100億ドルを投資。今後ますます投資額を拡大させていく方針も示しています。
フェイスブックが仮想空間事業に1兆円以上を投資
Facebookは先頃、社名を「メタ」に変更し、今後10年で1兆1,400億円を仮想空間事業に投資していくと発表しました。
Facebookが今後どのような仮想空間を作り出すかまだわかりませんが、この発表を受け仮想空間及び関連事業はさらに勢いづいています。
仮想空間は、今のところゲームといったイメージが強いですが、今後は不動産業界や自動車業界はじめ、多くの業界が仮想空間を利用した事業を展開していくことが見込まれます。
フェイスブックに続き、他の大手企業も追随
ナイキ
スポーツブランド大手のナイキは、オンラインゲームプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」内のメタバース空間に、ナイキ社の本社を模倣した3D空間「NIKELAND」を開設したと発表しました。
動画は、NIKELANDの宣伝用のものです。また、ナイキはアバター用のバーチャルスニーカーも制作し、話題にもなっています。
Forever21
Forever21は、4,940万人のアクティブユーザを抱えるメタバースプラットフォーム「Roblox」上で、プレイヤーが自分だけのカスタムバーチャルファッションストアを運営できるようにする予定です。
3兆ドルの資産をもつHSBCもバーチャル不動産へ参画
HSBC は2022年、Animoca Brands の子会社で分散型ゲームの仮想プラットフォーム「The Sandbox」と提携すると発表しました。
HSBC は、メタバースの進出に対し、スポーツ、e スポーツ、ゲーム愛好家の関心を引き、つながりを深めることを目的としていると述べています。
また、中国政府もメタバースの事業に関しては、今のところ黙認しており、目下アリババやテンセントのような大手企業もメタバースに乗り出すなど、米国同様今後メタバース領域への事業拡大を目指しています。
仮想通貨は全面廃止となった中国ですが、メタバースにおいては独自の通貨を発行する可能性も高く、中国路線のメタバースを確立していく可能性が高いといえます。
仮想空間の市場規模が急拡大、バーチャル不動産も無視できない
バーチャル不動産は、ますます注目されている分野ですが、この仮想空間(メタバース)における市場規模はさらに拡大の一途にあります。
実際、現物の不動産業界においても、最近ブロックチェーンやVR(バーチャル・リアリティ)という言葉が少しずつ浸透してきました。
わざわざ現地にいかなくても、事前に用意していた映像をVRでお客様にみてもらうといった案内方法をする仲介業者も少しずつ登場してきたくらいです。
不動産業界は、全産業の中でIT普及率が一番低いとよく言われます。電子契約ではなくいまだに紙ベースの書類のやり取りとハンコ主義を貫き通しています。
そんな不動産業界も今後はバーチャル不動産やNFTアートといったデジタル資産の波で、リアルエステートのあり方(現物自体は変わらない)も、その保有方法や使用方法も変わってくるのかもしれません。
バーチャル不動産に関しては別記事でもまとめています。
まとめ
フェイスブックが企業名をメタに変更するなど、メタバースへの事業を拡大する企業が増えています。
目下、米国の大手企業を中心にメタバース領域への投資を加速させていますが、今後は中国、そして日本もその流れに続くとみられています。
不動産業界では三井不動産や三菱地所が試験的ではありますが、バーチャル空間での運営に乗り出しています。
自動車や通信などの他の業種も含め、日本においてもメタバースへの事業拡大は必然とみられていますので、今後事業を展開していく事業者にとっては無視できない領域となりそうです。