今回は外国人留学生のお部屋探しについて。
コロナ禍においても、外国人留学生は日本にやってきているのをご存じでしょうか?
もちろんコロナ禍前に比べると数はずいぶん減りましたが、それでも都市部の語学学校には今日もたくさんの外国人留学生が日本語を学んでいます。
特に、中国人、ベトナム人、ミャンマー人などが多く、語学学校周辺の賃貸マンションや学生マンションには、お部屋を探す外国人の姿がよくあります。
そんな若い外国人の学生はどやってお部屋探しをしているのでしょうか?不動産会社としても一番気になるところでもあり、毎回外国人のお客様にはヒアリングをし、情報源の調査を行っています。
多様化する外国人留学生のお部屋探し
外国人留学生は、日本に留学する際は、語学学校の寮に入るというのが一般的です。
学校が指定する寮もしくは、学校が紹介する賃貸マンションに入居していますが、半年・1年経つ頃には、多くの学生がもっと便利なところや、もっとアルバイトの勤務先に近いところに引っ越したいと考えるようになります。
このようなとき、留学生は一体何を情報源にしてお部屋を探しているのでしょうか?賃貸付した学生10人に、お部屋探しの際の情報源についてヒアリングしてみました。
1,友人の紹介・口コミ(留学生同士の情報交換)
2、「Tiktok」や「RED」などの各種SNSを利用
3、外国人専門の不動産仲介業者
①友人の紹介・口コミ(留学生同士の情報交換)
友人の紹介や口コミは、外国人留学生にとって昔からの王道となる情報源です。留学生は日本語がそこまで流暢ではないので、母国語で会話が可能な同じ留学生から情報を得ることが一般的です。
そして、結局先輩や同級生が住んでいるマンションに引っ越しするというケースが多く、同じマンション内に、同級生がたくさん住んでいるというようなマンションが多々あります。
②「Tiktok」や「RED」などの各種SNSも利用している
近年多いのが、SNSの利用です。
Tiktokは中国が開発したアプリです。日本でも若い世代を中心に利用者数が爆増していますが、開発元の中国人はもちろんのこと、東南アジアの学生もよく利用しています。
最近はTiktokに日本の物件を、英語や中国語で紹介する動画も増えているので、外交人にとって貴重な情報源の一つです。
さらには、同じ中国が開発した「RED(小紅書)」もTiktok同様多くの中国人に利用されています。REDは外国人というよりは中国人に特化されたアプリですので、中国人向けの物件紹介がほとんどです。
③外国人専門の不動産業者
現状コロナ禍で外国人の流入が減少していますが、コロナ禍以前は外国人留学生に加え、日本に住みたい・働きたいという外国人の流入が右肩上がりでした。
その時は、外国人を専門とする不動産仲介業者も一気に増え、中国人、ベトナム人、ミャンマー人などを専門に扱う仲介業者が外国人街に突如現れたものです。
こうした外国人専門の不動産業者は、現状以前ほどの活気さはありませんが、それでも外国人留学生にとって母国語が通じる不動産業者として依然重宝されています。
希望条件が厳しくなった外国人留学生
2000年以前は、外国人留学生といえば、中国人が圧倒的に多く、留学の理由も半分は出稼ぎという方がほとんどでした。
実家は貧しく、留学費用の援助も少ないため、賃貸で住む部屋もワンルームを2人でシェアしたり、もっと貧しい学生になるとワンルームに3人も4人もシェアして住んでいました。
しかし、時代は変わり、多くの外国人留学生は、留学費用の支払い能力があり、また母国でも比較的富裕層の家庭で育っています。
日本では家賃5万円の家を探していても、実家は豪邸に住んでいるという学生がけっこう多いです。
都心部において予算5万円の学生でも、当初はトイレと洗面は別々、リビングがほしい、20㎡以下はNGなど、かなり無茶な条件を出してきます。
また、業者によってはSNSにアップしている物件の撮り方がうまいので、実際よりも広く見せていたりするので、現場をみてがっかりする外国人も少なくありません。
外国人向けの業者数の競争激化によりSNS配信を強化
近年、外国人向けの仲介業者も競争が激しくなっており、各社スマホやパソコンを使った広告にも力をいれています。
特に、力を入れているのはSNSを使った動画配信です。上述したTiktokやREDのようなSNSには、それぞれの国の言葉によって、お部屋紹介の動画が配信されています。
中には、わざわざお部屋撮影のために、アルバイトを雇ったという外国人業者もあるほどです。
しかし、外国人のお部屋探しにおいては、SNSからの情報源というのがそれほど重要になっているということでもあります。
仲介とあわせて管理後のサポートまで
SNSの紹介動画の中で、最近入居後のサポートまで無料でサポートするといった業者もでてきています。
不動産の仲介業者は、一般的には入居後の管理まではしないことが多いです。ただ、外国人留学生は、まだ日本語がおぼつかないため、トラブルや設備に不具合があった際に日本語で伝えることができず、トラブルを抱えてしまうケースが多々あります。
しかし、最近では、外国人顧客の囲い込みを含め、入居後のサポートまで一括して行い、次のお部屋探しの仕事につなげたり、友人や知り合いの紹介をもらうために、率先して管理まで行う業者がでてきています。
まとめ
この記事では、日本に留学にきている外国人が、新しいお部屋をどうやって探しているのかについてまとめてみました。
近年は、特にSNSを使った情報を取得するケースが増えており、外国人向けの仲介業者もSNSを中心とした販促をおこなっていることもあわせて紹介しています。
今後外国人向けに仲介を強化していく不動産業者は、ぜひSNSを使ったマーケティングを試してみてはどうでしょうか?