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【事故物件】孤独死による事故物件が増加、高齢者の増加や核家族化が大きな要因に

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不動産業において、事故物件を取り扱うことは多々ありますが、近年特に孤独死によって事故物件となったケースを多々見かけます。

自殺や殺人といった事故物件も悲惨ですが、孤独死によって発見が遅れてしまい、腐敗が進んでしまった物件も本当に悲惨な状況です。

オーナーとしては、自身の物件内で可能な限り孤独死のような事故が起こらないよう願うばかりですが、現状孤独死は右肩あがりで増加し(後ほどグラフにて説明)、社会問題にもなっているくらいです。

①孤独死の現状

警視庁がこのほど発表した統計によると、2021年(R2)の自殺者の総数は2万0830人(2022年1月14日集計)でした。

自殺者は、一時期3万人以上という先進国でも異常なほど高い数字となり、社会問題にもなりましたが、その後は減少傾向にあり、足元では2万人にまで落ちてきました。

春一
春一
自殺者の減少は、アベノミクスの経済効果などが要因と考えられているんだ!

自殺者は減少傾向にあるものの、一方で懸念されているのが高齢者による孤独死が新たな社会問題になっています。今回の記事では主に孤独死について扱いたいと思います。

孤独死とは

孤独死とは、「自宅内で死亡した事実が死後判明に至った1人暮らしの人」で、病死であろうと自殺であろうと、1人暮らしをしていて、死亡した事実が死後に判明した場合に、孤独死といいます。

東京都区内の孤独死推移「東京都監察医務院」のデータより不動産エキスパートで編集

 

上のグラフは東京都区内における孤独死の推移を示したものですが、64歳以下の孤独死はここ15年特に大きな変化はありませんが、65歳以上の孤独死は年々増加傾向にあります。 主な要因としては2つ。

1、高齢者の増加

近年社会問題にもなっている高齢者の増加です。

高齢者の人口推移「東京都」のデータより不動産エキスパートで編集

 

上の表は平成元年以降の東京都の65歳以上の人口推移を示しています。平成元年以降は右肩あがりに推移し、直近の5年の上昇率は鈍化していますが、それでも平成元年時の2倍以上になっています。

高齢化は以前から指摘されていたことですが、実際のデータで示すことで、日本の高齢化社会は深刻な状況になっています。 また、下記は内閣府が発表しているデータで、わかりやすいグラフがあったので、あわせて紹介します。

日本の人口推移内閣府のグラフをお借りしました

上のグラフは日本全国の統計データで、65歳以上の高齢化率は2065年までほぼ右肩あがりで推移していく予定で、10人に4人が65歳以上と超高齢化社会を迎える予定です。

2、核家族化の拡大

2つ目の要因は、

総務省のデータより不動産エキスパート作成総務省のデータより不動産エキスパート作成

 

2つ目は核家族化が進み、人とのつながりが希薄していることも大きな要因だと考えられています。

1970年以前は、高齢者は地域全体で見たり世話したりすることが多かったものの、1970年以降は、すべて家族や子供がその受け皿となりました。

こうした環境の変化によって、面倒の見ることができる子供や友人のような存在がいればままだいいですが、誰にも頼ることができない高齢者にとっては、そのまま自宅で気づかれずに亡くなってしまうというケースに至ってしまいます。

孤独死した物件の悲惨な状況

圧倒的に多い単身世帯での孤独死

国土交通省のデータを不動産エキスパートで編集国土交通省のデータを不動産エキスパートで編集

 

上のグラフは東京都区内における、複数世帯と単身世帯における死後経過後の発見日数を示したグラフですが、複数世帯の場合は短期間で死亡が確認される一方で、単身世帯の場合は2~3日が最も多く、次に4~7日と発見までの日数がかなり経過しているということがわかります。

さらに驚くべきことは、死後から1週間以上経ってからの発見が、単身世帯では3%あるということです。死後1週間以上経つと臭いもきつくなるので、物件全体に臭いが染み込み、特殊な薬品を使わないと、とれなくなってしまいます。

孤独死の予防について

以下オーナーとして孤独死を予防するためにできることをまとめてみました。

①こまめに入居者とコミュニケーションをとる

一番、アナログなやり方ですが、最も効果があるのは、この入居者とコミュニケーションをとることです。理由としては、普段からコミュニケーションをとることで、入居者の健康状態や何か異変がないか確認することができるからです。

②入居者の連絡先や緊急連絡先を確認しておく

①とダブりますが、入居者とコミュニケーションをとるためにも、連絡先は必ず確認しておきましょう。また、緊急連絡先についてもセットで控えておくのがベストです。

③ホームセキュリティを活用する

近年は、セコムやアルソックのような大手セキュリティ会社から、電力会社やガス会社までが孤独死の見守りサービスを手掛けています。もし、余裕があれば、このようなホームセキュリティプランを活用するのも一つの方法です。

④火災保険に加入してもらう

これは孤独死の予防というよりは、孤独死が起きてしまった場合に、できる限りオーナーの損害を小さくするためのものです。 火災保険は、入居者が入居する際に入ってもらう保険ですが、これも会社によってはいろいろなオプションをつけることができます。

保険会社によっては、入居者が物件で亡くなってしまった場合や殺人が起きてしまった場合など、残置物撤去費用やクリーニング費用も合わせて支払ってくれるオプションをつけることが可能です。 入居の際には、こうした特約のついた火災保険に加入してもらうことをおすすめします。

⑤孤独死保証のある保証会社を探す

これも火災保険と同じで、あくまで事故後の損害を軽減させるものですが、孤独死保証に入ってもらうことで、オーナーとしては安心します。

①滞納分の家賃を立て替えてくれる 孤独死が起きた場合、死後家賃が滞る場合が多いです。そういったときに保証会社は、その期間の家賃を代わりに立て替えてくれます。

②お部屋の原状回復費用を立て替えてくれる 孤独死の場合、発見が遅れると高額の原状回復費用がかかります。そうなった場合、孤独死保証に入っていると、保証会社が代わりに立て替えてくれます。

③残置物の撤去費用を立て替えてくれる 孤独死の場合、残置物をオーナー側で撤去しなければならないケースが多々あります。ワンルームのお部屋でもけっこうな金額を請求されるので、そのようなときに保証会社が代わりに立て替えてくれます。

まとめ

この記事では孤独死の現状と、予防についてまとめてみました。

孤独死は高齢者の増加や核家族化が進んでいることにより、右肩あがりで増加しており、物件オーナーにとって、孤独死のリスクは年々高まっているといえるでしょう。

ただ、予防することは可能ですので、この記事ではいくつか予防策についてもまとめています。

どれか一つの対策でも大きな予防策になるので、ぜひ一度自身の物件でも試してみてください。

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