賃貸不動産経営管理士が国家資格となり、資格としての価値(ステイタス)が上昇しましたが、賃貸不動産経営管理士には弁護士や司法書士のような「バッジ」がありますか?という質問を受けることがあります。
よくスーツの襟にバッジをつけている方がいますが、バッジをつけているだけでステイタスが上がり、憧れますよね♪では、賃貸不動産経営管理士はどうでしょうか?
同じ不動産業界の中では、不動産鑑定士と土地家屋調査士がバッジがありますが、賃貸不動産経営管理士は宅地建物取引士同様バッジはなく、代わりに「賃貸不動産経営管理証」というカードが発行されます(宅建も同じです)。
この記事では、賃貸不動産経営管理士の仕事と賃貸不動産経営管理証について紹介したいと思います。
賃貸不動産経営管理士の仕事とは?
賃貸不動産経営管理士の仕事は、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」という法律の中で、定義されています。
以下その法律とその内容をわかりやすく書いてみます。
①法第13条の規定による説明及び書面の交付に関する事項(重要事項説明及び書面の交付)
※法というのは賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律を指しています
⇒管理業務を受注した際に、賃貸不動産経営管理士が貸主のオーナーさんに対して、重要事項の説明を行うことです。そして、その重要事項説明書に対し記名・押印をもらうことです。
②法第14条の規定による書面の交付に関する事項(管理受託契約書の交付)
⇒管理業務を受注した際、賃貸不動産経営管理士は、貸主のオーナーさんから、作成した管理受託契約書に記名・押印をもらい、それを交付することです。
賃貸不動産経営管理士として行う最も重要な仕事としてはこの2つです。ただ、もちろん賃貸管理のプロとして、ほかにも、入居者間のトラブル対応、原状回復工事、賃料等の収納管理、入居者募集に関する業務など多岐に渡ります。
賃貸不動産経営管理士は、高度な専門知識により課題解決・トラブルの未然防止に努め、良好な住環境を保全する役割を担っています。
賃貸不動産経営管理士証を発行するメリット
賃貸不動産経営管理士はバッジはないものの、賃貸不動産経営管理士証とよばれるカードが発行されます。
国家資格のカードですので、保有するだけでも以下のようなメリットが受けられます。
①賃貸住宅のオーナーに対し、業務管理者の要件を満たしていることを示すことができる。
②賃貸住宅のオーナー及び入居者に対し、国家資格の管理士であることをアピールすることが可能
③賃貸住宅のオーナーに対し、賃貸住宅の委託契約時(マスターリース契約)に賃貸住宅経営管理士証を示すことで、安心感を与えることができる
賃貸住宅の委託契約時は、説明する際に賃貸不動産経営管理士証を、オーナーに見えるように提示し、説明する必要があります。
契約するオーナーも、賃貸不動産経営管理士のような専門知識を持った方に委託するほうが、安心感もあり、契約もスムーズにいきやすくなります。
賃貸不動産経営管理士証の発行
賃貸不動産経営管理士証を発行するためには、賃貸不動産経営管理士への資格登録が必要となります。そして、資格登録には以下の要件のいずれかを満たす必要があります。
①管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者
②その実務の経験を有する者と同等以上の能力を有する者
※②は実務経験2年とみなす講習(賃貸住宅管理業務に関する実務講習)を受講し修了したものも同様とする
■登録料
6,600円(税込)
※登録料には賃貸不動産経営管理士証の発行手数料4,500円(税込)も含まれています。5問免除講習や受験料も含めると、賃貸不動産経営管理士の資格取得には、そこそこお金がかかるというのが現状です。
賃貸不動産経営管理士証は、ユーチューブの中で紹介されているようなカードになります。有効期間は5年になります。費用は8,000円で、顔写真の更新や簡易書留の費用もかかります。
今後バッジが発行される可能性は?
残念ながら賃貸不動産経営管理士のバッジが発行される可能性はほぼ無いと思われます。
現状、賃貸不動産経営管理士より難易度の高い宅地建物取引士ですらバッジは発行されておりません。宅地建物取引主任者から宅地建物取引士へ名称が変わる時にもしやとも思いましたが、その時にもバッジの発行はありませんでした。
なお、バッジがある仕事としては、弁護士、弁理士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士、不動産鑑定士、土地家屋調査士、社会保険労務士のような士業。
さらには、裁判官、議員、ファイナンシャルプランナーのような仕事にもバッジあ付与されています。
まとめ
賃貸不動産経営管理士はバッジではなく、発行されるのは賃貸不動産経営管理士証となります。
ただし、以前の記事でも紹介しましたが、国家資格となったことで、受験する人が増え、2021年度は初めて合格者数が1万人を超えました。
今後もさらに増加していく可能性が高く、不動産業界の中ではすでに宅建の次に人気の不動産資格となっています。
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