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賃貸管理会社を変更するには?解約・費用・引継ぎの手順と注意点

賃貸管理会社を変更するには?解約・費用・引継ぎの手順と注意点
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RENTAL MANAGEMENT / OWNER’S GUIDE

管理会社を替えたい。でも、入居者への連絡や家賃の振込はどうなる?

家賃の送金明細を確認するたびに時間がかかる。修繕の相談をしても返事がなかなか来ない。そんなことが重なると、「そろそろ管理会社を替えようか」と考えるのも自然なことです。

ただ、会社を替えること自体がゴールではありません。いちばん避けたいのは、家賃の入金や入居者対応が切替の途中で止まってしまうこと。オーナー自身が準備することと、管理会社同士で引き継ぐことを分けて考えます。解約通知から敷金・鍵・修繕、入居者への案内まで、順番に見ていきます。

先に結論|賃貸管理会社は変更できる?

一般的な管理受託契約なら、契約書にある解約予告や終了条件を確認し、新旧管理会社の引継ぎを組むことで変更を進められます。ただし、通知期限・費用・途中解約の可否は契約によって違います。サブリース(借上げ)契約は別の仕組みなので、同じ手順で解約できるとは限りません。

まず契約を確認|管理委託とサブリースは違う

最初に現在の契約書の表題と当事者を見てください。「管理業務を委託する契約」なのか、会社がオーナーから借り上げて入居者へ転貸している契約なのかで、変更の進め方が変わります。

表は横に動かして比較できます。

契約の種類 基本的な関係 変更時の注意点
管理受託契約 オーナーが貸主で、管理会社に維持管理や集金等の業務を委託 契約期間・解約予告・精算・書類返却を確認する
サブリース・マスターリース契約 会社が物件を借り上げ、入居者へ転貸する仕組み 借地借家法や契約内容が関係する。オーナーの意思だけで簡単に終了できるとは限らない

国土交通省は、管理受託契約について、契約前の重要事項説明と契約締結後の書面交付などを定めています。一方、サブリースでは借上げ賃料の減額や解約を巡るリスクにも注意を促しています。国土交通省・管理業者の業務、サブリースの仕組みと規制も確認してください。

注意:「管理会社を変えたい」と相談していても、実際はサブリース契約の解約を希望していることがあります。先に契約の種類を整理し、必要に応じて弁護士などの専門家へ確認しましょう。

賃貸管理会社を変更する6つの手順

管理会社変更の6つの手順。契約書確認、管理会社比較、解約通知、資料と鍵の引継ぎ、入居者への案内、家賃入金の照合を示す図
管理替えの流れは6段階。実際の通知期限や引継ぎ時期は、いまの管理契約に合わせて調整します。
STEP 01旧契約を確認期限・違約金・引継ぎ条件
STEP 02新会社を比較報告体制・費用・募集力
STEP 03解約通知書面で終了日を確定
STEP 04資料・金銭の移管台帳・敷金・鍵・修繕
STEP 05入居者へ案内窓口・家賃支払先を周知
STEP 06切替後を点検入金・未処理案件を照合

1いまの管理委託契約書を読む

確認するのは、契約期間、更新方法、中途解約の条件、解約予告の方法と期限、違約金・精算費用、鍵や書類の返却、契約終了後の協力義務です。

「1か月前に言えば大丈夫」「3か月前が普通」と、一般論だけで進めるのは避けたいところ。いつまでに、誰へ、どの方法で通知すると終了できるのかを契約書で確認しましょう。通知した事実が残るメールや書面でのやり取りが実務上は安心です。

2次の管理会社を決め、業務開始日をすり合わせる

新会社の見積りでは管理料率だけでなく、募集、家賃督促、修繕見積り、退去精算、定期報告、夜間の漏水・鍵トラブルへの対応など、その料金に含まれる業務を確認します。

管理戸数200戸以上の法対象事業者には国土交通大臣への登録が義務付けられています。対象となる会社の登録状況は国土交通省の賃貸住宅管理業者検索などで確認できます。200戸未満の事業者に登録義務がない場合もあるため、「登録がない=必ず問題のある会社」とは判断しません。

3旧会社へ解約通知を出す

次の管理体制の見通しが立ったら、契約上の通知期限に間に合うよう旧会社へ連絡します。通知には物件名、契約当事者、解約を希望する日、根拠となる契約条項、引継ぎ窓口を記載しておくと整理しやすくなります。

契約終了日と新会社の管理開始日は、原則として切れ目ができないよう調整します。たとえば月末に旧会社が業務を終え、翌月1日に新会社が開始する場合でも、家賃の回収月・送金日と窓口の移行日は別に管理してください。

4契約・お金・建物の情報を引き継ぐ

ここは少し手間がかかっても丁寧に進めたい工程です。入居者の氏名と家賃一覧を受け取るだけでは、実際の管理は引き継げません。何月分の家賃が入金済みか、敷金は誰が預かっているか、保証会社への届出は済んでいるか、どの修繕が進行中か。部屋ごとに照らし合わせます。

旧会社が持っている資料とオーナーの手元の資料に差がある場合は、差を一覧化します。「後日渡す」で終わらせず、担当者と期限も記録します。具体的なチェック項目は後半にまとめました。

5入居者へ変更日と連絡先を案内する

入居者にとって重要なのは、誰に連絡すればよいか、次の家賃をどこへ払えばよいかです。管理会社変更の通知には、変更日・新管理会社・平常時と緊急時の連絡先・必要があれば新しい支払先を明記します。

入居者から見ると、突然「来月からこの口座へ」と連絡が来れば不安になるものです。新旧管理会社の案内が食い違わないよう、必要に応じてオーナー名でも変更を確認できるようにします。口座振替や保証会社払いの人には、何もしなくてよいのか、手続きが必要なのかをはっきり伝えましょう。

入居者へのお知らせに入れたい内容(記載例)

「○月○日から管理窓口が変更となります。新しい管理会社・連絡先は○○です。家賃のお支払いは〔従来どおり/○月分から変更〕となります。設備の不具合など緊急時の連絡先は○○です。」

※実際の案内では、変更日・対象の賃料月・振込先・連絡先を確定させ、該当する文言だけを記載してください。

6変更後、最初の入金・報告を確認する

切替日を迎えても仕事は終わりではありません。最初の家賃入金一覧とオーナーへの送金額を照合し、振込先の間違い・二重請求・未収の引継ぎ漏れがないかを確認します。

例えば11月1日に管理を切り替える場合、10月末に入居者が支払った「11月分家賃」を、旧会社と新会社のどちらが受け取るのでしょうか。管理料を引いて誰がオーナーへ送金するのかまで決めておかないと、入金が遅れたように見えたり、二重に請求したように見えたりします。

入居者から継続中の問い合わせ、発注済みの修繕、退去予定の部屋も同じです。「前の会社が対応すると思っていた」を残さず、切替後の最初の月にもう一度照合しましょう。

引継ぎで抜けやすい書類・金銭・鍵のチェックリスト

新旧管理会社とオーナーが同じ一覧を共有できると、話が早くなります。次のリストは、賃貸住宅の一般的な管理受託を想定した実務上の確認例です。

引継ぎは「契約・入居者」「家賃・敷金」「鍵・設備」「対応中の案件」の4つに整理します。スマホでは左右に動かすか、画像を選んで拡大してください。
① 契約・入居者情報
  • 各戸の賃貸借契約書・更新契約書
  • 賃料、共益費、契約期間、更新月
  • 入居者・保証人・緊急連絡先
  • 駐車場・駐輪場等の附帯契約
② 家賃・預り金
  • 家賃台帳と滞納・前受金の明細
  • 敷金・保証金の負担者と保管先
  • 管理料・立替費用・未精算金
  • 口座振替と保証会社の送金条件
③ 建物・設備
  • 共用部・空室・設備室等の鍵と本数
  • 設備台帳、図面、取扱説明書
  • 消防・設備点検報告、修繕履歴
  • 清掃・設備保守業者の契約内容
④ 対応中の案件
  • 滞納督促、騒音、漏水などの苦情
  • 退去予告・更新手続・空室募集
  • 発注済み修繕と工事代金の精算
  • 保険事故・入居者への回答待ち
不動産実務の視点|「資料がある」だけでは不十分

同じ家賃台帳でも、最終の入金確認日が分からなければ引継ぎ後に使いにくくなります。資料の基準日、担当者、未処理事項、次の対応日までセットで渡せるかが大切です。個人情報は、利用目的や契約関係、適切な提供方法を確認して取り扱います。

管理会社の変更にかかる費用と違約金

「管理会社の変更には必ず○万円かかる」という全国共通の料金表はありません。契約終了時の費用と、新会社に移ってからの費用を分けて比較します。

費用の種類 確認すること
旧会社への支払い 最終月の管理料、未払金、契約に基づく違約金・精算費用の有無
新会社の初期費用 登録・システム設定費、契約書や入居者案内の作成費用の有無
保証・収納の変更費 保証会社の継続可否、口座振替の切替費用、手続きの負担者
変更後の継続費用 毎月の管理料、募集時の手数料、更新・退去・修繕に関する費用
試算例|管理料が1%下がると年間いくら違う?

例として、家賃7万円の部屋が6戸・すべて賃貸中で月額賃料の合計42万円、管理料率は税等を考慮しない単純比較とします。

管理料5%月21,000円
 
管理料4%月16,800円
 

差は月4,200円、年間50,400円。ただし、募集力や空室期間、修繕手配が変われば収益への影響はこの差を上回ることもあります。料率だけで選ばない方がよい理由です。

管理変更で起こりやすいトラブルと防ぎ方

家賃の振込先が二重に案内される

旧会社の口座振替が残ったまま、新会社から新しい振込先を通知すると入居者が迷います。何月分の家賃から変更するのか、口座振替の停止・開始日、旧口座へ入金された場合の扱いを事前に決めてください。

敷金の管理者・精算担当が曖昧になる

敷金は「旧会社から新会社へ全額渡せば終わり」とは限りません。誰が預かり、誰が返還債務を負うのか、原契約の貸主・新旧管理会社の業務範囲を確認しましょう。過去の滞納や退去精算が絡むと金額も変わります。必要な精算は部屋単位の明細で残します。

退去・漏水・修繕の対応が切れる

切替前に漏水の見積りを依頼していた部屋が、切替後に「担当が分からない」となることがあります。進行中の工事とオーナー承認済みの予算、業者連絡先、入居者への説明状況を引き継ぐことが重要です。

保証会社の契約がそのまま使えると思い込む

家賃保証の契約当事者・収納方法は商品によって異なります。管理会社変更の届出だけで継続できるのか、新規申込み・契約変更が必要か、旧管理会社・保証会社・新管理会社の三者で確認してください。

入居者の安心を優先:管理窓口が変わることと、貸主が変わることは別です。通常の管理委託先変更だけなら、入居者の賃貸借契約そのものが当然に終了するわけではありません。「新契約への署名が必要」と一律に案内せず、契約関係を確認しましょう。

次の管理会社は、管理料以外に何を見ればいい?

安い会社が悪いわけでも、大手だから安心と決まるわけでもありません。比較の際は同じ物件情報を各社に渡し、質問への答え方や報告の具体性を見てみてください。管理開始後の付き合い方を想像しやすくなります。

比較項目 確認したい質問 見るポイント
報告 毎月の入金・滞納・修繕をどの形式で報告する? 数字と対応履歴が残るか
入居者対応 夜間・休日の緊急連絡は誰が受ける? 連絡先と初動の責任者
空室募集 募集賃料・広告・写真はどう提案する? 近隣相場と根拠の示し方
修繕 見積り比較とオーナー承認のルールは? 費用の透明性と記録
費用 月額料以外に何が発生する? 更新・退去・工事の料金体系

賃貸管理の業務全体を把握したい方は、関連記事の不動産管理会社の仕事内容と業務フローも参考にしてください。オーナー自身が判断する際の知識は賃貸管理を学ぶメリットで整理しています。

変更日から逆算する実務スケジュール

スケジュールは旧契約の解約予告期間によって変わります。下記は法定の一律期限ではなく、段取りを整理するための例です。

時期 確認・実行すること
解約通知期限より前 旧契約の条項を確認し、新会社と業務範囲・開始日の見通しを付ける
解約通知後 書面で終了日を確認し、台帳・鍵・預り金・保証会社の引継ぎを依頼する
切替日まで 家賃支払先・緊急連絡先を確定し、入居者へ案内する
切替直後 家賃入金と未対応案件を照合し、不足書類を回収する

たとえば「3か月前までの解約予告」が契約条件なら、その期限の前に新会社への相談を始める必要があります。旧契約が満了する日と、新会社が動き始める日を先に決め、そこから逆算する方が無理がありません。

賃貸管理会社の変更でよくある質問

Q.入居者が住んでいても管理会社を変更できますか?

はい。一般的な管理受託契約であれば、入居中でも管理委託先の変更を進められます。賃貸借契約が自動的に終了するわけではありません。入居者には、新しい管理窓口と必要に応じて家賃の支払方法を案内します。

Q.解約通知は1か月前でよいですか?

一律に「1か月前」とは言えません。契約書の予告期間・更新条項・通知方法を確認してください。期間途中の解約条件や費用も会社によって異なります。

Q.管理会社を変更すると敷金はどうなりますか?

敷金の預かり先や返還債務の帰属は契約関係により異なります。管理会社変更によって自動的に敷金が消えることはありません。部屋ごとの残高・保管先・精算責任を確認し、書面で引き継ぎます。

Q.保証会社や家賃の口座振替はそのまま継続できますか?

保証商品・契約内容・集金方法によります。旧会社からの変更届が必要な場合や、新たな手続きが必要な場合があるため、保証会社と新旧管理会社に確認してください。入居者への案内は、実際の支払方法が決まってから行います。

Q.旧管理会社が資料の引継ぎに協力してくれない場合は?

まず管理委託契約で書類の返還や業務終了時の協力について定めがないか確認し、未提出資料を一覧にして、書面で期限と担当窓口を確認します。入居者情報などは適切な取扱いが必要です。引継ぎが滞る場合は、オーナーが持つ契約書・送金明細から新管理会社と不足分を整理し、契約上の義務をめぐる争いは弁護士等に相談してください。

Q.サブリース契約も同じように解約できますか?

いいえ、同じものとして扱えません。オーナーがサブリース会社へ建物を貸しているマスターリース契約では、借地借家法の適用や更新拒絶・解約の条件が問題になることがあります。国土交通省や消費者庁のサブリースに関する注意喚起を確認し、個別の契約については専門家に相談してください。

まとめ|管理会社の変更は「終了日」ではなく「引継ぎ完了」をゴールに

管理会社を替える話になると、つい「次はどの会社に頼むか」に目が向きます。でも、切替後に「家賃はどこへ入った?」「漏水修理は誰にお願いした?」となるのは避けたいところです。契約書・お金・鍵・対応中の案件を、新旧どちらがいつ引き継ぐかを決めてから切り替えましょう。

月々の管理料だけでなく、報告の分かりやすさ、空室への提案、修繕費の説明、緊急時の連絡体制まで比べてみてください。今の管理会社への不満を「次の会社に期待すること」に言い換えておくと、比較するときの軸になります。

根拠資料・確認元(2026年10月9日確認)

この記事について:一般的な管理受託契約を前提に、オーナーが切替時に確認したい順番を整理しました。解約条件・費用・敷金の扱いは契約や状況によって変わるため、個別の紛争は弁護士等へご相談ください。管理料の金額は計算例です。不動産エキスパートの運営者情報・編集方針もご覧いただけます。

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